デンマークの大学生の自治活動が、学生生活をより良くしていることを紹介してもらったジュリアンくんのインタビュー。
(記事はこちらから)
学生として活動を続ける彼のインタビューから感じたこと、思ったことをインタビュー後記としてまとめます。
(メンバー:瀧澤千花、黒住奈生、高槻祐圭 / 実施日:2019年5月22日 / 編集:瀧澤千花)
インタビュー後記、スタート!
学生の利益団体って、日本では身近じゃないから興味深かったなあ。equality とかdemocracy が常に組織の根本にあるところが印象的だったかな。
確かに!デンマーク人と普通に会話しているだけでequalityに基づいてるって感じる。
福祉国家っていう国の制度上の概念ともいえるけど、デンマーク人のアイデンティティとして"equality"とか”egalitarianism"はスローガン化されてるし、みんなが存在を認識してると思う。
あと個人的には、「政府は学生の話を聞いてくれない」って日本で私は学生が動くことを諦めていた感があったから、ジュリアンさんの話を聞いて、学生から動くのか〜!とはなった。
それは私も思った!例えば何か民主主義に対してアクションを起こすなら、学生としての集合的な意見とかをもっと発信して主張していくのは一つのいい方法だなって思って。
ただ、多くの学生に共通する利益を主張してるから、あんまり強めの深入りした主張はできないのかもなと思ったかな。
ただ、多くの学生に共通する利益を主張してるから、あんまり強めの深入りした主張はできないのかもなと思ったかな。
教育の質向上っていう話がけっこう今日あったよね、これを学生が主張するって日本にないトピックだなと思ってた。
確かに、あんまり聞いたことないかも。でも、学生の主張を聞き入れる政府もすごいなと思うな。(それが健全だし、学生の投票率が高ければ確かに無視できない意見になるよね。)でもその一方で、それだけやるからには主張する学生側も結構プロフェッショナルじゃないといけないんだなとも思ったかな。
だから、DSFは成果として何かを成し遂げたって言えるものはあんまりなさそうだなって。
でも、主張し続けてることによってSUとか、無償教育を担保してるっていう面がありそうって感じた。予算カットしようとすれば反対されるって政治家もわかってたら、ためらうじゃん。
だから、DSFは成果として何かを成し遂げたって言えるものはあんまりなさそうだなって。
でも、主張し続けてることによってSUとか、無償教育を担保してるっていう面がありそうって感じた。予算カットしようとすれば反対されるって政治家もわかってたら、ためらうじゃん。
なるほど確かに、まさに圧力団体だね。企業で従業員が雇用主に給料もらってても主張するのと同じか。
いくら自分たちが養ってもらう立場にあろうとも、権利は主張していないと力関係を利用して簡単に権利が侵害されうるってことか。
いくら自分たちが養ってもらう立場にあろうとも、権利は主張していないと力関係を利用して簡単に権利が侵害されうるってことか。
確かに、今の日本は諦めてる(=権利を主張しない)のは私たちのせいかもね。ただ文句を言ってただけで、何もしてないかも。
諦めてるっていうのもあるし、日本では力関係を尊重する文化が暗黙の了解にあって、それが人々ー政府の関係性にも影響しちゃっているのかも。
わかる。なんかそもそも「主張する」というのが感覚として薄いというか…。
上に意見を言ったら文句みたいに捉えられるし、上の人が本当にいい人じゃないとちゃんとした意見として認められない気がしている…。これは個人レベルでも国レベルでもそうだと思う。
上に意見を言ったら文句みたいに捉えられるし、上の人が本当にいい人じゃないとちゃんとした意見として認められない気がしている…。これは個人レベルでも国レベルでもそうだと思う。
私たちが主張するっていうことはこの暗黙の了解にそむくことで、きっと反発したり違和感を持つ人もいるんだと思う。デンマークの場合は主張することが暗黙の了解だから、それが若者だろうと違和感は生じないよね。
上下関係とか目上の人を尊重するとか、それはそれで良い価値だと思うけどね。でも、そのままだと確かに民主主義と相容れにくいのかもしれない。
ゆうきさんも言ってたけど、それが日本の良さであったわけだもんね。ポライトであるとか、尊重するってことはいいことなんだけど、それが時代の流れで理解が変化した気がする。
権利の主張はそれはそれで認められることで、尊重とは同じベクトルにないというか。
権利の主張はそれはそれで認められることで、尊重とは同じベクトルにないというか。
マティアスくんの話で「文句が結果的に投票(意見表明)につながる」っていう話があったよね。
これが「仕方ない」になってしまう仕組みが色々日本にはあって、文句が文句で終わっちゃうって感じなのかな。
これが「仕方ない」になってしまう仕組みが色々日本にはあって、文句が文句で終わっちゃうって感じなのかな。
それはめっちゃありそう。デンマークでみんな「自分の投票が大事」っていう認識がある一方で、日本では「どうせ変わらない」っていう認識のほうが強いもんね。
あとは、社会や政府に聞き入れてほしいなら、歩み寄る(ちゃんと意見を表明すること)が大事ってことかな。
デンマークの学生の福祉制度も、黙って降ってくるものじゃなくて、権利を主張し続けているからこそ守られている者なのかもしれない。
デンマークの学生の福祉制度も、黙って降ってくるものじゃなくて、権利を主張し続けているからこそ守られている者なのかもしれない。
DSFは常に圧力を学生を代表してかけ続けることで、投票率が低かったり文句で止まってしまうことも多い世代の影響力を強く保つ役割があるのかな。
若者のアクションについて
こんな感じでまとまったかな〜!次に行こう。ジュリアンさんの意見についてなにか印象に残ってることある?
私はレスポンシビリティの話が良かったかな。個人的には私達若い世代が将来を作るレスポンシビリティ(責任)があると思ってるんだけど、日本ではそれをあんま感じなくて、でもデンマークではみんなの意識をすごく感じる。
みんなのっていうのは、インタビューした人以外もってこと?
そう。フォルケホイスコーレにいる子と話しててめっちゃ思う。「将来のためにアクションする」みたいな意志を感じる。
ジュリアンさんの使命感みたいなものは学生団体の代表やってる人なんだからそりゃそうで、日本にも探せばいっぱいいるとは思うんだよね。
でも改めてやっぱりそうだよなあ〜!と感動があった!
ジュリアンさんの使命感みたいなものは学生団体の代表やってる人なんだからそりゃそうで、日本にも探せばいっぱいいるとは思うんだよね。
でも改めてやっぱりそうだよなあ〜!と感動があった!
general assemblyに参加しなくても、それ以外の活動に参加していることも大事って言ってたのと繋がると思う。
あーそうだ。general assemblyには参加してなくても、他のキャンペーンとかデモとかには参加する人が多いって言ってたよね。そういうふうに、参加のハードル下げることも大事だよね。
どうやって政治とか活動に興味をもってもらうか、みたいな話もあったよね。なんか日本は身近な話題と政治がかけ離れてるから、政治を語るのはちょっと…みたいな雰囲気があるのかもしれない
。
小さい活動から大きなパワーを作るっていうのが、ボトムアップ型のデンマークならではって感じ。
小さい活動から大きなパワーを作るっていうのが、ボトムアップ型のデンマークならではって感じ。
興味を持たせるのが難しいっていうのは、デンマークも同じ悩みなのかな?それってつまり、「それは政治だよ」ってどうやって伝えるかだよね。
小さい活動→大きな影響って多分どの国でもどのレベルでもそうなんだけど、デンマークではそれを信じて頑張れる、っていうのはある気がする。
成功体験があるからかな?あとは、母数も少ないから大きな影響にするハードルもちょっと低いかも。
ただ、「なんでも政治に繋がってるじゃん」って気づいてる人は、やっぱ日本ではあんまり少ない気がする。
ただ、「なんでも政治に繋がってるじゃん」って気づいてる人は、やっぱ日本ではあんまり少ない気がする。
なんか前調べたんだけど、日本人は確かに若者の投票率は低いけど、政治に関する関心度は高いっていう調査があった。繋がってるっ気づいてる人は割といるんじゃない?
社会問題に対して明確なスタンスがあるかどうか、ということとは別の次元ではもう少し意見は持っている。
その次元を政治に引っ張りあげちゃえば彼らを政治に巻き込めるのか!
1社会問題に対して意見を持たせる→政治だよって伝える
2身近な問題(すでに意見がある?)→政治だよって伝える
2つ道はありそうだね
その次元を政治に引っ張りあげちゃえば彼らを政治に巻き込めるのか!
1社会問題に対して意見を持たせる→政治だよって伝える
2身近な問題(すでに意見がある?)→政治だよって伝える
2つ道はありそうだね
もちろんDSFだけが解決策ではないと思うけど、DSFもそういうことに気が付かせるための一端を担ってるのかなと思うなあ。大学生だからこそ、大学生の内側から気づかせることってできそうな気がするよね!
diversityとは?
diversity のほうの話してもいい?多様性とか移民の勉強していると、なんで結局多様な社会じゃないといけないんだろう、なんとなくその方が素敵な感じがするのはどういうわけなんだろうっていう疑問にぶちあたることがあって。
divesityは1教育の質を高める、2社会のhealth democracyを保つ、3社会にソリューションをもたらす
これがそれのヒントになるような気がして結構感動した。多様性が尊重されてる社会って健全だよねってだけじゃなくて、社会に+の効果があるよっていう主張はすごく素敵だなと思った。
divesityは1教育の質を高める、2社会のhealth democracyを保つ、3社会にソリューションをもたらす
これがそれのヒントになるような気がして結構感動した。多様性が尊重されてる社会って健全だよねってだけじゃなくて、社会に+の効果があるよっていう主張はすごく素敵だなと思った。
3は特にこれから大きいだろうね
「国内では解決しきれなくて、世界で協力して問題を解決していかないといけない」みたいなフレーズはよく聞くし、その通りだと思っているけど、そのために多様な環境で学ぶことが大事なのかもしれない、なるほどって思ったかな。
「国内では解決しきれなくて、世界で協力して問題を解決していかないといけない」みたいなフレーズはよく聞くし、その通りだと思っているけど、そのために多様な環境で学ぶことが大事なのかもしれない、なるほどって思ったかな。
それーーー!!
それを学生発信することというか、学生が理解していることって大事だよね。結局多様性の時代を生きていくのは私たちなわけで、その世代がその時代をポジティブに捉えてうまく活用していくことが必要だろうなと思う。
しかもその社会のソリューションっていうのは、グローバルなソリューションってことがよかったなあ。結局私たちはもう社会をグローバルなしに考えられないから、それを国だけのソリューションじゃなくて、グローバルなソリューションとして考えるっていうのは面白い視点だった。多様性はもう止めようがないなあと思う。
良いか悪いかっていう議論がもはや意味をなさないというか。
人権とか文化の保護みたいな倫理的な視点で多様性を議論していると、自国の保護みたいな主張とぶつかって解決はない。
多様性が叫ばれるとナショナリズムが高まるっていうのはあるあるだと思ってて、それが今というか。
だからこそ、論点をずらすことが必要だと思うんだよね。多様性が教育を向上させるとか社会にソリューションをもたらすとか、別の視点を入れることで、議論が前に進むし、社会の態度も変化するのかなと思う。
新たな議論の軸(多様性を前提としたうえでの軸)をたてることはブレイクスルーになりそうだなと。
新たな議論の軸(多様性を前提としたうえでの軸)をたてることはブレイクスルーになりそうだなと。
そうだね!個人レベルでの利益とか幸福とか倫理的な視点って考えるとなかなか多様性って受け入れがたい物なのかもしれないけど、グローバル化が事実止められない社会で生きていって、その中で生まれる問題を解決するためには、diversityな環境のなかで学ぶことが解決策を見つけるうえでポジティブに働くんじゃないか、ってかんじかな?
そんな感じだね!
ではおつかれさま!