わたしが生きたい社会ってどんなだろう?
そのヒントは、北欧にあるかもしれない。

わたしたちが北欧で見たこと、感じたこと、そして、語りたいこと。
大学生たちが現地よりお届けします。

デンマークと日本、何が違う?わたしたちのホンネトーク


デンマークから日本に帰国して、約1ヶ月。
メンバーがお互い話したくてたまらなかったのが、帰国して感じたデンマークと日本の違いの気付き。

もちろん2つの社会は全く別物。あらゆることが違うのは当たり前なんですが、長期で滞在したからこそ分かる習慣や文化レベルで、思うところが溜まっていたんです。
環境のこと、まちのこと、会話の内容まで。留学する前までは気にもしなかった日常に対して違和感をもったり、日本社会への関心が増したりしていました。

今回はメンバー3人が初めて日本で集まり、それぞれの感じていることを、対談形式でまとめてみました。留学ホヤホヤの生の声をのぞいてみてください。

ペットボトル・プラスチックだらけな日本

デンマークではプラスチック包装やビニール袋を使わないような工夫を感じることが多かったんだよね。
帰国して1週間の合宿に参加したときに朝はコンビニや売店で買うしかなくて、とにかくめっちゃプラスチックを使ってしまった…!おにぎりも、のりの部分とか、サラダの仕切りとか、とにかくめっちゃ!しかも、それを指摘する人もいないし、その罪悪感を共有もしない感じ。ペットボトルも毎回使ってて。確かに楽なんだけど、私以外マイボトルを使ってる人は誰もいなくてびっくりした。
意識を共有できる人少ないよね。私も環境意識は高いほうじゃないけど、そんな私でも罪悪感を共有できないのが違和感。でも今日マイボトル忘れた〜というのはよくやっちゃうな…。紙ストローも全く出会わない!
私は特にビニール袋を気軽にもらえちゃうことに違和感がすごい。「くれるんだ!!」ってびっくりしちゃう。
スーパーは割と有料化してるけど、コンビニとかドラックストアはくれるよね。そういうところでの買い物に限って買う物の量少ないし、カバンに入るじゃん!って思う。
ペットボトルは、デンマークでは高いから自然に買うの控えてた。でも日本は値段がそもそも安いから、すぐに買っちゃうのかな。
デンマークは、ペットボトル容器にデポジット料金が上乗せされてて、それをスーパーにある機械に入れてデポジットを回収するんだけど。自分で持っていくから、お金のためでも「リサイクルしてる」っていう意識が芽生える仕組みなんだよね。日本は「袋を断る」っていう行動を意識的にしないと自覚が芽生えないよね。


移動・街・ものの多さ

自転車に乗りたいなあ。デンマークではずっと自転車移動だったのに、日本では電車ばっかり。運動になるし景色見られるし、すごく良かったんだなって帰国して気付いた。
私は日本でも自転車乗ってる!でも自転車レーンなくて歩道で乗ることが多いから、日本では自転車乗ってる側も怖いし、歩いてても普通に後ろから自転車が来るの怖い。自転車大国にはなりにくいだろうなって感じ。
危ないよねえ。
コペンハーゲンでよく見かけた、路上にステーションがあってアプリで手続きできるようなレンタサイクルがあったらいいのに。
観光地はあるよね。東京もあるし。でも観光客用って感じで普段使いする感じじゃないな。しかも東京は電車すぐ乗れちゃうからな〜。

あとやっぱりさ、同じ首都だけど東京のまちはコペンハーゲンより断然でかい。そして物が多い!
何かほしいと思ったとき、お店に行くと選択肢がばり多い!!
目がちかちかするし、たくさん見てると選びきれなくて結局買わなかったりしちゃう。


就活って難しい

友達が就活した話をよく聞くよね。デンマークでは、何歳から何を始めてもいいじゃんっていう空気だったんだけど。日本ではそうはいかないから、就活しなきゃ意外とやばいってなる。
わかる。焦りはあるよね。皆と一緒じゃないことへの不安はあるかも。別に、皆と一緒じゃないといけないって思ってるわけではないんだけどね。
自分はこういう生き方をしたいんだけど、日本のシステム的に、「この会社に入るためにはこの時期からこうしてないといけない」っていうことが決まってて。自分の目的を叶えるためなら、その日本社会のシステムに習わないといけない…というか。例えば、自分は積極的にはスーツを着て就職したくないけど、でも着ないことによって何かマイナスになるくらいなら着るとかね。
システム的に個性的でいづらいってことあるよね。
例えば、内定決まった友達がいたとしたら、まず「どこの会社に入ったか」を話すよね。部署が決まって就職するわけじゃないから仕方ないんだけど、「何をするのか」をみんな話さないから、違和感は感じる。
定年まで働くっていう気持ちを持ってる人事も、学生も多いなって思った。転職当たり前のデンマークにいたからギャップがあって、「日本はまだそれか!」って感じ。
同じ企業に勤めあげない前提で先輩と話をしてたら、先輩は勤め上げる前提で考えていたみたいで。転職することが同年代でも必ずしも前提じゃないんだよね。


外見について話したくない?

この前「美」に関したイベントに行ったんだ。やっぱりみんな、日本は、他人の目を気にしてたり、どう見られてるかって自分で自分に囚われていて、デンマークの「ありのままが美しいよ」っていう考え方はすごいなと思った。
デンマークにいる時の方が容姿とか気にしてなかったなあ。どうせみんな私のこと見てないだろうなって思ってたし。デンマークの方が、化粧するの当たり前っていうプレッシャーもなかったな。「今日化粧してないね」って言われたり思われてると思ったこともなかった。これは私が「外国人留学生」だったからで、デンマーク人としてデンマークで生きていたら違うかも、とも思うけど。
デンマークの人は他人の容姿の良し悪しをジャッジしないんだよね、高評価も低評価もしない。そういうコミュニケーションを自然に共有しているから、相手の目を気にしなくていいのかなって。

日本はミスコンの話もめっちゃする。「誰がかわいいとか、かわいくない」って。今その会話についてけないんだけど、一年前の自分は話のネタとして盛り上がってた側の人間なんだよね。もう私はあんまり人の外見の話をしたくなあと思ってるんだけど、でも会話に入れないのもな…。
わかる。こういう会話を盛り下げたいわけではないし。だから、ちょっと黙ってる(笑)その場とその人達で判断することはあるかも。
むずいなあって思う。「かわいい」ともあんまり言いたくないし。どういうスタンスでいればいいんだろうみたいな。
いい方もジャッジしたくないんだよね。

意見を言う・議論をすることについて

「留学どうだった?」って、どのレベルの「どう」を聞いてるのかわからなくて困る(笑)
わかる〜〜〜〜!!!!
私たちで話すと、人権とか、政治とか、そういう話ばっかするじゃん(笑)だから、軽い話ができなくなってきて困る(笑)
ネタ話ってなんだっけ?ってなるよね。
日本では普段の会話で共通の人の話とか、人に関する話多くない?
友達3人で集まって、その場にいない3人共通の友達の彼氏の話になったんだけど。私はもともと恋バナに興味があんまりなくて、なんかもう、興味ある顔ができなかった(笑)マイペースになったんだよね、多分。
やっぱり、留学中は人間関係を整理してたもんね。1年間しかないから、どうでもいい人は付き合わなければよかったし。
日本の友達も会う頻度減らしてもいいなあと思うことがあったり。場がもたないときがある(笑)

大人数で飲むと話せない話題とかあるじゃん。例えば結婚の話とかになると、私は「そもそも結婚って〜」って始めたくなる(笑)でも今ここで「そもそも」を始めてはいけない!!っていうのもわかってるんだけどね(笑)「そもそも〜」から始めるめんどくさい女になりつつある(笑)
でも、そんな自分が嫌いじゃないというか、気に入ってるからこのままいたいんだよね。これでいたいけど、いられない、ぐっと飲み込まなきゃいけない瞬間に大変。

母とか父に議論ふっかけると、疲れるって言われる(笑)
言われる〜!!!!
自己主張することが正しいと思ってるだけなの。相手を否定してるわけじゃないのに、議論するだけで否定してると思われがち。意見のバランスって難しいよね。
みんな議論したくないのかなあ、ちょっとめんどくさいんだろうな。
議論してくれる人といると、留学前よりもっと居心地いいって感じる(笑)デンマークでは北欧がたりメンバー以外の人ともけっこう議論っぽい会話をしてたから、日本でそれが減って寂しいかな。
留学したおかげで、日本で議論できる人が増えたのがよかった。自分よりレベル高いと思ってた人とも、議論できるようになったかも。自分にコンテンツが増えて、そういう人たちと対等に話せるようになったのは、成長だなあって!
デンマークの議論の仕方は自分に合ってたと思ってて。議論に結論を必ずしも出さなくていい、同調しなくてもいい、否定から入らないとか。そういう議論が日本でできたら私は嬉しいな!

いかがでしたか?話が止まらない、そんなホンネトーク。もちろんデンマークが全て正しいわけではないですが、留学したからこそ抱いた小さな違和感や気付き。忘れずにいたいなと思います。