わたしが生きたい社会ってどんなだろう?
そのヒントは、北欧にあるかもしれない。

わたしたちが北欧で見たこと、感じたこと、そして、語りたいこと。
大学生たちが現地よりお届けします。

【Women's march レポート】国際女性デーにフェミニズムについて考えてみた

知っていましたか?3月8日はInternational women's day (国際女性デー)です。

恥ずかしながら、日本に住んでいる時にはほとんど気にかけたことのない日でしたが、男女平等への動きが進んでいるこの北欧、デンマークの地ではこれからの男女平等の在り方や実現について考えようとするパワーで溢れる日となり、私も初めてこの日を意識して1日を過ごしました。





オ―ストラリア人、フランス人、日本人の友達と一緒に人生初めてのデモ "women's march" にも参加してきました。オーストラリアもフランスも、この日にはデモが行われているみたいだし、二人とも別のテーマではあるけどデモには何度か参加したことがあると言っていました。

それに対して、私たち二人の日本人は国際女性デーの存在を意識したのも初めてだしデモへ参加したこともない、、ということで、日本人の政治参加の低さと、国際女性デーの浸透率の低さを実感しました、、。

International Women's Day (国際女性デー)とは

そもそも私のように、「国際女性デーってなに?」って思う人も多いかと思うのでここから。
起源は1904年3月8日にニューヨークで婦人参政権を求めたデモが行われたこと。その後1910年の国際社会主義会議で、この日を「女性の政治的自由と平等のために戦う日」と提唱されました。その会議はなんとここ、コペンハーゲンで行われたみたい、!それからしばらく後、1975年、国際婦人年に、国連が3月8日を「国際女性デー」として制定しました。

国際女性デー国際女性デー | HAPPY WOMAN ONLINE|ハッピーウーマンオンライン1904年3月8日にアメリカ・ニューヨークで婦人参政権を求めたデモが起源となり、1910年のコペンハーゲンでの国際社会主義happywoman.online


こんなに歴史のある日だったんですね。今の女性の地位を作り上げてきた、行動力があってパワフルな女性たちの想いを未来に繋いでいきたいものです。


また、世界にはこの日を祝日と定めている日もあるようです。ロシア、モンゴル、カザフスタン、タジキスタン、トルクメニスタン、ウガンダ、ウクライナ、ベトナム、カンボジア、ザンビア、、、などの国々で、中央アジア地域で広く祝日になっているというのが興味深いなと思いました。
国によっては女性にお花やプレゼントを贈ったりするようです。

Women's march " ALL FEMINISTS TO THE STREETS"



コペンハーゲンの中心部にある広場に午後4時半ごろから続々と人が集まり、代表によるスピーチのようなものが始まりました。ほとんどデンマーク語だったため、残念ながら何を言っているのかはほとんどわからず、、😅

HPによるとこのデモは、人種、性別、社会階級による労働やヘルスケア、公平性、教育システムへの機会の平等の実現、という大きな目標を掲げ、特に女性やLGBTの平等な権利を主張したものでした。

後援団体として、非政治団体だけでなく、政治団体や政党も参加していることにも驚きました。

その集会中にとても印象的だったのは、おそらくこの場に集まったことやその後のデモ行進を頑張ろうね、の意味を込めて見ず知らずの周りの人たちと握手したりハグしたりしたことです。一人一人の力は確かに微々たるものかもしれないけど、人と人とが繋がって、団結すれば、それは大きな力になる。その繋がりを、とても心が温まるような方法で作れている気がしました。


どこでもビールを飲むデンマーク文化。デモもビール片手に参加です。カジュアルで良いなあ。


 また、デモ行進と言えば参加者がぎちぎちに集まって歩くようなイメージでしたが、デンマークの自転車文化のためでしょうか、自分の自転車を押しながら歩く人や、ベビーカーを押しながら歩く人もいるくらい、スペースにゆとりがありました。

主張を大声で叫んだりすることも無く、ただポップな音楽を大きめに流してるだけだったので、本当にただ歩いているだけのような感じでした。途中から後進に加わる人もたくさんいました。



小中学生くらいの小さい子から、お年寄りの方まで、みんなで歩き、みんなで主張している感じがしました。ど平日の夕方であるにもかかわらず、約7000人が参加したと聞きました。

 


また、素敵だなと思ったのが、男性の参加者も多かったことです。フェミニズムは女性だけの問題じゃない。多くの人が「自分ごと」ととらえている感じがすごくいいなと思いました。



"FEMINISM IS UNISEX"
自分の想いと重なって、すっと心に入ってきました。良い言葉に出会ったなあ。

フェミニズムについて思っていたこと

ここで、フェミニズムについて私の考えていることをまとめようと思います。

私はどちらかというと、フェミニズムについてあまり強い主張を持っていないほうだと思います。「女子だから、女性だから」と何か理不尽で嫌な経験をしたことが今まであまり無いからかもしれません。日本で社会人になったら、もっと強く感じるのかもな、と思ったりもします。

私は、男女は違っていてあたりまえで、もちろん一概には言えないけど得意、不得意があると思っています。身体的、精神的にも違う。だから、男女が全くの平等になればいいとも限らないんじゃないかと思っています。

だから、フェミニストが、フェミニズム!!女性差別!女性の権利!女性!女性!って言っているのが、なんか逆に偏っている気がして、ちょっとヒステリックだなあ、なんて思っていました。ですが、いろいろな経験を経て、フェミニズムは女性だけの問題じゃなくて、社会全体で考えていくべきことなんだなあと認識するようになりました。

デンマークのフェミニズム

デンマーク人の女の子の友達とフェミニズムの話になったことがありました。その子は自身をフェミニストだと言っていて、日本人の目から見れば男女平等の進んでいるように見えるデンマーク社会に関しても、未だ残っている男女の不平等を問題視していました。
(ちなみに、デンマークでも女性の就業率が比較的高いとはいえ業種に偏りがあったり、合法の売春が行われているなど問題はたくさんあるようです。)

また、デンマークにはフェミニズムを掲げて支持を得ている政党があると言っていました。日本にも、いろいろと書かれたマニフェストの中に「女性の地位向上」などと書かれている政党はあるんだろうけど、「フェミニズムといえばこの政党」みたいなものは無いなあ、と。

そんなふうに友達に伝えると、
国民の関心ごとが政党に直接反映されていなくてかわいそうね。じゃあフェミニズムの人はどういう政党を支持したらいいの、、?」
とその子に言われました。

ここで思ったのは、日本ではまだフェミニズムが国民の支持を十分に得るための主張だと思われていないのかな、ということと、日本の政党が国民の関心を反映しきれていないこと、選挙の際に政治家も国民も、短期的な利益や目標にばかり注目してしまっているのではないか、ということです。


機会の平等

前述のとおり、男女にはいろんな差があるため、全くの平等なんてむしろ良くないんじゃないか、と思っていた私は彼女に、そういった男女の差が実際に存在する中で、どのような平等を理想としているのかを聞きました。

直接の答えにはなっていない気もしましたが、彼女はこう言いました。

社会には男性と女性がほとんど半分ずつ存在するのに、会社のトップや政治のトップにいる女性の割合はそれより明らかに低い。市民に大きな影響を与える物事が決定されるそういう場面に女性が少ないのはおかしいと思う。」

なるほどなあ、、。そういう場面で女性が著しく少ないのは問題かもしれない。日本は女性の議員が国際的に見てもかなり少ないことが問題になっていることを思い出しました。国民の約半分は女性であるのに、その声を代表してくれる女性が少ない。

女性個人の権利の尊重という意味でもそうだし、社会全体の利益のためには、意思決定の行われる場が、男女のバランスがとれていることが大事なのではないかと思いました。

何かの組織のトップに位置しようとするときに、女性にだけ何かの壁があったりするのなら、それは問題だと思いました。機会の平等の実現という言葉がしっくりくるかなと思います。

将来の夢は「お嫁さん」と「ヒモ男」

機会の平等に関連して、以前からもやもやしていたことがひとつすっきりしました。

私の周りだけかもしれないけど、女の子って将来の夢として、「お嫁さん」とか「良いお母さん」って言う子よくいるじゃないですか。でも逆に男の子が「お婿さん」とか「良いお父さん」って言ってるのはあんまり聞かない気がして。そういうところにも、潜在的に男女の役割分業的なイメージが表れているのかなって。

女性は結婚すれば養ってもらえるだろうし、就職っていてもきっとその会社では5年も働かないんだろうな~、なんてお気楽に考えているときが正直私もありました。女子でよかった~、って。

逆に男性は家族を養うだけのお金を稼がないといけない。良い仕事に就かないといけないっていうプレッシャーがあるんじゃないかな、大変だなあ、ちょっとかわいそうって思っていました。

でも、これがまさに機会の平等が実現できてないってなのかも、と気づきました。

女性の中には専業主婦になりたい人とか、仕事を持つとしても家庭や育児を優先させたい人もいる。でも、働きたい人だっている。仕事が楽しい人、家族を養う人。優先順位が人によって違うのは当たり前。

いろんな女性がいるのに「女性だから」でひとくくりにして機会が制限されていたり、"家庭に尽くす女性が良い"っていう社会的なイメージやプレッシャーから、理不尽に家事や育児が押し付けられているとしたら、それはやっぱり不平等だと思う。

逆に、男性だって、バリバリ働きたい人ばかりじゃない。子供ともっと時間を過ごしたい人もいる。女性に経済的に依存したい男性だっているんじゃないかな。でもこういう人ばっかり「ヒモ男」って非難される。 

「お嫁さん」も「ヒモ男」も実質的にはあんまり変わらないような気がするけど、後者の方がマイナスなイメージを受ける。

「男性だから」上のポジションを任せるとか、大事な仕事を任せる、育休は短くていい、安定したポジションを任せる、経済的に自立していないといけないって思われていて、男性にばかり機会が開かれていたり、重たい責任を押し付けている社会になっているとしたら、男性にとっても女性にとっても問題なんじゃないかな。

FEMINISM IS UNISEX

つい最近起こったいくつかの医学部で明らかになった入試の際の男女差別の問題。こんなあからさまな性別による機会の不平等が、今の日本の社会に残っているなんてかなりショックでした。

男女の機会の平等、というのはフェミニズムの一側面でしかありませんが、それすら改善していく余地がまだたくさんあるんだと思います。

フェミニズムは決して女性だけの問題じゃないんだと実感しました。女性だけがヒステリックに平等を求めていてもなかなか状況は変わらないと思います。

FEMINISM IS UNISEX

フェミニズムはみんなの問題です。社会のために、みんなが考えるべき問題だっていう認識が広まればいいなって思っています。


おわりに

今回デモに初めて参加して、行動すること、発信すること、繋がることの大切さを改めて実感しました。たしかにこのデモによって何かが直接的に変わることは無いだろうし、政治家がこのデモをどれだけ重く受け止めるのかはわかりません。日本だったら、全然相手にされないんだろうな、とか思ったりもします。

それでも、集まって、想いや主張を共有することによって、「みんな」の輪をより広げて、より多くの人を巻き込んで、この問題を考えることができるようになると思います。

明るい音楽を流してリズムにのったり、笑顔で友達や家族と思いを共有する、むしろお祭りのようなこのデモは、今までの私のシリアスで攻撃的でヤジが飛び交う「デモ」のイメージを一掃しました。こんなデモもあるんだな

政治臭があんまりしないけど、ちゃんと政治的なメッセージを含んでて、みんなを巻き込むかんじ。政治をハードルの低い身近なものにするかんじが、これからの日本でも必要になっていくのかもな、なんて思ったりしました。